という方のために、偏差値や倍率から自治医科大学医学部の難易度を考えてみました。
また、入試科目や再受験寛容度、気になる僻地での勤務などについても紹介したいと思います。
目次
自治医科大学医学部とは?
自治医科大学医学部とは、栃木県下野市に大学キャンパスや病院がある私立医学部です。
僻地や地域での医療を充実させることを目的に設立されました。
地域医療を支えるという目的で設置されたので、各都道府県ごとに2~3名の定員枠があり、そこから選抜されるという方式です。
全寮制で教育の質が高いためかわかりませんが、医師国家試験の合格率はすべての医学部の中で総合順位が1位となっています。
これは、通常4年次の12月以降に行われるCBT・OSCEという試験を医学部で唯一3年次に行っており、4年次から病院実習を行う教育システムを採用しているからでしょう。
このように、自治医科大学医学部では、臨床実習を重視した教育が特徴的です。
1~3年生のスケジュールは過密だと思いますが、4年以降の3年間を国家試験対策に使うことができるので、合格率が高まるのも当然だといえます。
[the_ad id=”7323″]自治医科大学医学部は学費が無料?
自治医科大学医学部は、条件を満たすと学費が無料になります。
修学資金貸与制度というのがあって、2300万円もの6年間の学費をすべて借りることができるのです。
ただし、大学卒業後、地元の指定された病院で9年間働くことが条件になっています。
修学資金は、大学を卒業後、直ちに、第1次試験の試験地の都道府県知事が指定する公立病院等に医師として勤務し、その勤務期間が修学資金の貸与を受けた期間の2分の3(1.5倍)に相当する期間(その勤務期間のうち2分の1は、知事が指定するへき地等の指定公立病院等に勤務する。)に達した場合は返還が免除されます。
但し、この条件を成就しなかった場合には、貸与金に所定の利率を乗じて得た額を加えて一括返還しなければならないことになっています。
出典:修学資金貸与制度
条件を満たせなかった場合は、借りた2300万円を利子を含めて一括返済しなくてはいけないことは注意しておきましょう。
本気で地域医療に従事したいと考えている人だけが受験すべき医学部だと思います。
自治医科大学医学部の偏差値は?
自治医科大学医学部の偏差値は73です。
私立医学部で2位の偏差値の高さとなっています。
偏差値73というのは上位1%に入ることを意味するので、いかに偏差値が高いかがわかるでしょう。
自治医科大学医学部の倍率は高い?
自治医科大学の倍率はめちゃくちゃ高いです。
倍率は例年10倍を余裕で超えています。
年度 | 自治医科大学医学部医学科倍率 |
2017 | 16.5 |
2016 | 18.4 |
2015 | 18.7 |
2014 | 18.7 |
自治医科大学医学部の倍率がこれほど高いのは、やはり学費が無料であるというのが大きいと考えられます。
慶應義塾大学医学部は学費が安いといっても、2200万円程度かかるので、かなりの高収入の家庭でないといくら学力があっても通うのは難しいのです。
なので、学力はあるけど、お金がない医学部志望の受験生がたくさん受けにくると考えられます。
自治医科大学の学費が無料になる条件として9年間僻地での地域医療に従事する必要がありますが、それで医師になれるのは破格の条件だと思います。
というか医師になりたくて医師を目指すのですから、僻地であろうが医師になれるわけで何も問題はないわけです。
自治医科大学医学部の難易度は偏差値や倍率から考えると・・・
自治医科大学医学部の難易度は慶應義塾大学医学部以上に難しいと思います。
これは、偏差値は慶應義塾大学よりも自治医科大学が低いですが、倍率が自治医科大学の方がかなり高いからです。
また、自治医科大学は地域医療に従事する志の高い医師を養成したいと考えているので、面接がかなり厳しくなっています。
入学者の選抜方式が変わっていて、各都道府県ごとに合格枠が2~3名しかありません。
そのため、東京や兵庫などの有名進学校が多数ある都道府県の受験生は難易度が上がるのです。
出身都道府県によっては、慶應義塾大学医学部以上に難易度が難しいというのはこの選抜制度によっておこります。
自治医科大学医学部の入試概要
再受験に対してはかなり厳しい大学です。
各都道府県ごとに枠が2~3名しかないので、できるだけ医師として長く働いてくれる人を採用したいと考えるからでしょう。
都道府県によって、合格傾向が違うようです。
学力重視の県もあれば、現役にこだわる県もあるそう。
女子を全く合格させなかった県もあるようです。
といっても、受験する県は選べないので、どうしようもないですけどね。
科目は数学、理科2科目、英語、小論文、面接。
面接はかなり厳しいのでしっかりとした対策が必要でしょう。
一次面接が個人面接15分、2次面接も個人面接15分。
さらに、グループディスカッションが40分あります。
合格するには、学力はもちろん、面接対策も必要でかなり難しいといえるでしょう。
しかし、それでも学費が無料となるのは魅力的なので今後も多くの受験生が受験する傾向はかわらないといえますね。