とふと思いました。
勤務医の方が労働時間は長い上に、当直もバリバリこなしています。
それなのに、勤務医の方が開業医よりも年収が低いんですから不思議ですよね。
そこで、今回は開業医が勤務医よりも儲かる理由について考えてみました。
開業医の年収は勤務医よりも1000万円高い?
開業医の年収は勤務医よりも1000万円高いです。
ちなみに、開業医の平均年収は2500万円、勤務医の平均年収は1479万円で、1000万円もの差があります。
厚生労働省の調査によると、病院勤務医の平均年収は1479万円であったのに対し、開業医の平均年収は2500万円ほどで(平成21年度「医療経済実態調査」より)、開業医は病院勤務医の1.7倍の収入があるということで、やはり開業医のほうが稼げるという結論になる
では、これより開業医が勤務医よりも儲かる理由について考えてみたいと思います。
1. 開業医は経営者でもあるから
開業医が儲かる1番の理由は開業医は経営者であるからです。
つまり、経営者としての利益も得ることができるということ。
何千万円もの初期投資をかけて病院を作るリスクがありますが、病院経営において残ったお金は全て自分のものになります。
なので、うまくいけばめちゃくちゃ儲かるのです。
しかし、設備投資にもお金が必要ですし、売り上げが減少して赤字になっても従業員の人件費はかかります。
また、患者さんが来なくて借金だけが残るというリスクもあるのです。
このようなリスクを負って、経営に成功した開業医だけが高年収を得ているのではないでしょうか。
2. 大きな病院は設備投資に莫大なお金がかかる
大きな病院ではCTやMRIなどの高価な医療機器が必要です。
そのため、大きな病院ではCT2500万円、MRI7500万円もの莫大な設備投資をしなければいけません。
1億円以上もの設備投資をしていては利益が小さくなるのも当然といえるのではないでしょうか。
また、CTやMRIなどの高度な医療機器を導入すると放射線科医や放射線技師などの専門的な人材を新たに雇用しなければいけません。
すると、人件費が大きくなるので、さらに利益が少なくなるのです。
3. 病院は入院患者がいるのでコストがかかる
入院患者がいるので、急変に備えて、常時当直の医師や看護師が必要なのでコストが大きくなるのです。
また、病院には入院設備があるので、病院勤務医は外来よりも重症の入院患者の健康を管理するのが主な仕事になります。
そのため、開業医は1日に何十人もの患者を診ることができますが、勤務医は平均すると1日に診ることができる患者の数は開業医よりもかなり少なくなると考えられるのです。
このように人件費の増大によって病院の利益は少なくなると考えられます。
まとめ
病院とクリニックは役割が違います。
クリニックは患者を最初に診察し、重傷者を大学病院などの大きな病院に紹介するのです。
クリニックの多くは入院設備はないですし、病院は多くの患者さんが入院しています。
このように、病院とクリニックの役割の違いが開業医と勤務医の年収の差を生み出しているのだと考えられるのです。
決して開業医は楽をしているわけではなく、開業医はそれなりのリスクを負っているし、経営的にもさまざまな悩みを抱えていると思います。
単に儲かるから開業医になろうといった安易な考えでは後悔するでしょう。