医学部は入ってから大変だということを聞いたことがある人は多いでしょう。
私も受験生のとき、友達に「医学部は入ってから大変だと!」と聞いたことがあります。
ふ~ん、そうなんだ。とそのときは、話半分で聞いていましたが、実際に医学部生活を体験してみたところ、
「マジで医学部は入ってから大変だ!」
と感じています。
では、医学部に入ったらどんな大変な生活が待っているのでしょうか?
そして、医師になるには、どのような壁を乗り越えていかなければいけないのでしょうか?
医師になりたいけど、こういうことを知らない人ってかなり多いんです。
今回は、医学部が入ってからどれほど大変かをテーマにお話をさせていただきます。
目次
医学部に入るのも大変だが医学部は入ってから大変?
日本の法律では、医師になるためには6年制の医学部に入らなければなりません。
現在、日本では医学部は全部で82校あります。
この中のどれかに合格しなければ医師になることはできません。
どの医学部も難易度は非常に高く狭き門です。
人によっては、何年浪人しても合格できない人もいます。
しかし、私立医学部の学費が高い大学は比較的偏差値が低く入りやすいところもありますね。
とにかく、医師になりたいのならばまずは医学部に合格しなければ話にならないということです。
医学部卒業後は、2年間の初期研修医を終えると、晴れて医師となることができます。
では、医学部に入ってからどのような大変な生活が待ち受けているのでしょうか?
医学部は入ってから大変?進級が異常に厳しい?
医学部は進級が非常に大変です。
実感では、進級の厳しさはこのようになると思います。
試験の範囲は8cmくらいの分厚い教科書全てということはよくあります。
それなのに、勉強期間は1週間しかないということもざらです。
では、医大生はどのように勉強をしているのでしょうか?
医学部は範囲が多すぎて、まともに勉強していては試験に合格できません。
過去問や先輩の作った資料などを集めることから試験勉強が始まります。
というか、過去問なしではどんな天才でも合格は不可能です。
教授によっては、重箱の隅をつつくような問題を出してくることもあるからです。
なので、うまく進級するためには頭のよさというよりも要領の良さが必要といえるでしょう。
他の大学生と比べると医学部は入ってから大変?
医学部は大変すぎます。他の大学と比べると。
1年の前期は、一般教養といって他の学部の人たちと同様に好きな科目を選んで受講することができます。
しかし、普通の大学生活はここで終了です。
1年の後期以降は、医学部ではすべての科目が必修となっていて、どれか1つの科目でも落としてしまうと留年してしまうのです。
すべて必修科目であるがゆえに、学生はどんな理不尽な科目であっても受けるしかありません。
科目の単位を認めるかどうかは、教授がすべて決定することができるので、大学によってどの科目が難しいかというのは異なるようですね。
2年は解剖実習があります。
1年の頃とは違って、2年からは医学部らしい授業が始まるのです。
3年は、基礎医学を主に学びます。生理学、生化学などを深く学んでいきます。
4年からは、各科ごとの病気を細かく勉強することになります。
4年の終わりには、CBT・OSCEという大きな試験があるので、4年次は学校の試験勉強と平行して、CBT・OSCE対策も行わなければいけません。
5、6年は、ポリクリといって病院実習が始まります。
6年の終わりには、卒業試験。
最後に、医師国家試験。
というように医学生は試験、試験、試験の連続なのです。
息つくひまもありません。
テストが終わったと思ったら、また次のテストの対策を始めなければならないのです。
だいたい、6年間で100個程度のテストに合格する必要があるといわれています。
テストは合格点に満たないと再試といって、再びテストを受けなくてはいけません。
なので、人によっては、200回近くテストを受けることになりますね。
これだけ、テストばかりだと正直しんどいですよ。
医師になるには、相当な覚悟が必要だと思います。
適当な気持ちで医学部に入るとかなり後悔するでしょうね。
社会人と比べると医学部は入ってから大変とはいえない?
社会人と比べると、医学部は入ってから大変とはいえません。
やはり、医学部といっても所詮は学生です。
夏休みや冬休みはあるし、土日も休みになっています。
なので、学業にあてる時間を社会人の労働時間と比べると、あきらかに少ないです。
また、医学部の学生にはまだ責任がありません。
勉強をサボったとしても自分以外の他人に迷惑がかかることはないのです。
そのため、サボろうと思えばいくらでもサボれます。
医学生といえども、遊んでばかりいて、全然勉強してない人は結構いるのです。
ただし、医学部ではテストに合格するという結果がもとめられるという点では、一部の社会人よりは大変といえるでしょう。
公務員や事務仕事のようなプレッシャーのない仕事に比べると医学部は大変です。
しかし、営業などのプレッシャーの大きい仕事と比べると医学部は楽といえます。
まとめるとこんな感じです。
社会人(営業)>>>>>医学部>>>社会人(事務)>>>>>>>>>普通の大学生
研修医になるともっと大変?
6年間医学部で勉強すると、そこそこ医学に関する知識が身につくはずです。
しかし、医師になるための本当のスタートは研修医からなんですよ。
あ、ここでいう研修医とは、医学部を卒業してから2年間の前期研修医のことですからね。
みなさんも経験で分かると思いますが、実際に自分で経験したことって忘れませんよね。
例えば、旅行に行くためにいろいろ調べてみて、現地で体験したこととか。
こういう経験ってエピソード記憶といわれるもので、忘れにくいんです。
一方、歴史の教科書で読んだり、見たことって時間が経つとすぐに忘れてしまっていませんか?
やっぱり人間って実際に自分で経験して困ったりしたことの方が記憶に残るんですよね。
なので、医学部でも勉強はかなりすることになりますが、その知識を臨床の現場ですぐに役立てることって難しいんですよね。
つまり、研修医として病院で働き始めてからが、医師として使える技術を身に着ける最初の機会が始まるということなんです。
なので、医学部でテストにつかれたなんていってられないんですよ。
医学部の6年を終えて、研修医になってからが本当の意味でのスタートなんです。
逆に、研修医でサボってしまうと他の医師にかなり差をつけられてしまうでしょう。
なので、研修医になってからは本当に必死で学ぶつもりでいないとダメだと思います。
研修医が終わって医師になるともっと大変?
研修医が終わったら、少しは臨床の現場で使える人間になるはずです。
2年間の初期研修が終わると、一応”一人前の医師”となります。
しかし、ほとんどの医師はまだ技術が未熟だと自覚していますから、1~5年の後期研修を受けることになります。
このときに、自分の行きたい科を選んでそれぞれの道をゆくことになります。
大学院に進学して研究をする人もいれば、海外に留学する人もいるでしょう。
他には、産業医、医務官などの特殊な道をすすむ人もいるはずです。
とにかく、まだまだ医師として技術が未熟なのでなにかしらの勉強や経験を積む方向に進むことになるかと思います。
医師という仕事は一生勉強なんでしょうね。
医師になるのは大変だ。
医学部は入ってからが大変だということがおわかりにいただけたでしょうか?