旧設公立医科大学とは?
旧帝大学、旧6医科大学等の言葉を耳にしたことは多くても、旧設公立医科大学という言葉を耳にしたことがある人は少ないのではないでしょうか?
また、耳にしたことがあってもどのような大学が該当するのか等、詳しい情報を知っている方はもっと少ないと思います。
本記事は、医学部の受験を考えている受験生の方に、旧設公立医科大学の難易度や偏差値、序列についての情報わかりやすくまとめて紹介する記事です。
目次
旧設公立医科大学とは?
旧設公立医科大学とは、元は公立大学として設置された大学であり、設置当時は旧帝大学等を卒業した医師達によって教育が行われていましたが、現在ではその大学を卒業した方達が中心となって大学を運営しているようです。
該当する大学は以下の11大学ですが、現在では国立大学となっている大学もあります。
神戸大学
横浜市立大学
名古屋市立大学
岐阜大学
三重大学
札幌医科大学
福島県立医科大学
山口大学
大阪市立大学
奈良県立医科大学
和歌山県立医科大学
いずれも歴史ある医学部であることと、現在も公立である大学は地域医療の医療発展に非常に力を入れており、地元出身の入学者に対して入学料の減額等の措置をとっています。
旧設公立医科大学の偏差値は?
以下の表に旧設公立医科大学の偏差値をまとめてみました。
全ての大学が65~70の範囲の偏差値におさまっていますが、この高さの偏差値においては偏差値が1つ違うだけでもかなりの学力差が生じるので、旧設公立医科大学の中でも、難易度や序列にも差がありそうです。
順位 | 旧設公立医科大学 | 河合塾偏差値 | 東進偏差値 | 平均偏差値 |
1位 | 奈良県立医科大学 | 70.0 | 70.0 | 70.0 |
2位 | 神戸大学 医学部 | 67.5 | 71.0 | 69.3 |
2位 | 大阪市立大学 医学部 | 67.5 | 71.0 | 69.3 |
4位 | 横浜市立大学 医学部 | 67.5 | 70.0 | 68.8 |
5位 | 岐阜大学 医学部 | 67.5 | 69.0 | 68.3 |
5位 | 三重大学 医学部 | 67.5 | 69.0 | 68.3 |
5位 | 名古屋市立大学 医学部 | 67.5 | 69.0 | 68.3 |
8位 | 札幌医科大学 | 65.0 | 69.0 | 67.0 |
8位 | 和歌山県立医科大学 | 65.0 | 69.0 | 67.0 |
10位 | 山口大学 医学部 | 65.0 | 68.0 | 66.5 |
11位 | 福島県立医科大学 | 65.0 | 67.0 | 66.0 |
旧設公立医科大学の序列は?
医学部全体での旧設公立医科大学の序列は中堅程度となっています。
旧設公立医科大学の序列を以下にまとめましたが、偏差値だけでなくその他の要素も考慮した結果です。
神戸大学医学部=大阪市立大学医学部=横浜市立大学医学部>奈良県立医科大学=名古屋市立大学医学部>岐阜大学医学部=三重大学医学部=山口大学医学部>和歌山県立医科大学>札幌医科大学>福島県立医科大学
都会に行くと、派閥が大きかったり、集まるスタッフが優秀だったりすることや、国立大学と公立大学での国からの援助の違いなどを考慮し、序列は偏差値の順位とは異なっています。
旧設公立医科大学の難易度は?
旧設公立医科大学の難易度は序列と同様で中堅程度と思われがちですが、国立大学と公立大学、医科大学では難しさのベクトルが変わってきます。
以下にそれぞれ分類して難易度の考察を行ってみました。
旧設公立医科大学の国立大学の難易度
国立大学は学費が安く、様々な地域から受験生が集まるため、倍率がかなり上がりやすい点が厄介です。
問題の傾向が読みやすく、難問・奇問の割合が少ないことから高得点を狙いやすいですが、倍率が高い上にハイレベルな受験生たちとの戦いとなるので、かなり高い点数を取らないと合格は厳しいでしょう。
上記の要素を踏まえると、旧設公立医科大学の現国立大学の医学部の中での難易度は平均より少し上と考えることができます。(神戸大学のみは別格で上位です)
旧設公立医科大学の公立大学の難易度
大学が設置されている地域の出身者に入学料の減額措置があるため、地元の受験生たちが集まってきます。
国立大学と同じく、傾向がつかみやすい大学もあれば、掴みにくい大学もあります。
また、序列の高い公立大学医学部は関西や関東などに設置されており、場合によっては国立大学よりも優秀な受験生が集まる場合があります。
上記の要素を踏まえると、旧設公立医科大学の公立大学医学部の医学部全体での難易度は平均~難程度になります。
旧設公立医科大学の医科大学の難易度
旧設公立医科大学の医科大学とは、旧設公立医科大学の中で、学部が医学部のみの大学のことです。
こちらも公立大学と同じく、地元出身の入学者に対して入学料等の減額措置がなされるので、地元の受験生に人気があります。
入試問題では難問・奇問がよく出題され、過去問等で対策しようがどうにもならないような問題も少なくはありません。
しかし、それらの問題を解ける学生が定員以上に存在するとは限らないので、基本的にセンター試験で高得点を取り、逃げ切るといった作戦をとる受験生が多いです。
上記の要素を踏まえて難易度を考察してみると、医学部全体での難易度は平均~やや難程度となります。
旧設公立医科大学の後期試験
旧設公立医科大学には後期日程を設けてる大学が多いです。
センター試験の点数で殆ど決まる大学と、二次試験での勝負がメインとなる大学があります。
どちらも難易度は非常に高く、前期日程よりもかなり厳しい戦いになることだけは覚えておきましょう。
総評
上の考察をまとめると、旧設公立医科大学全体での難易度はおおよそ平均~難程度だと考えました。