旧帝大学医学部とは?
受験生の方なら一度は「旧帝大学」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。
しかし、東京大学や京都大学が旧帝大学に該当することくらいしか知らない方も多いのではないでしょうか?
本記事は、旧帝大学の中でも更にエリートに値する医学部に焦点を当てながら旧帝大学についてよく知らない受験生の方を対象に、旧帝大学医学部の難易度や偏差値、序列などをわかりやすくまとめて紹介してきます。
目次
旧帝大学医学部とは?
旧帝大学医学部とは、戦前に帝国大学として設置された国立大学の医学部の総称です。
全部で7つ存在し、以下の大学が該当します。
東京大学医学部(主に理科三類の学生が進級)
京都大学医学部
大阪大学医学部
東北大学医学部
名古屋大学医学部
北海道大学医学部
九州大学医学部
戦前には医学を学べる大学は少なく、これらの大学は昔から日本の医療を支え、現在の日本の医学の発展に携わってきた由緒ある大学です。
優秀な人材が集まるので国からも期待されており、どの大学も国からもらえる運営費用額の多さが日本でTOP10に入ります。(東京、京都は特に多い)
特に医学部における教育にはかなりの費用がかかるとされていますが、国からの援助が多い分、他の大学よりも設備等の環境が非常に良いです。
また、旧帝大学医学部を卒業することで、その近辺の地方での派閥のトップになれます。(例:九州大学を卒業すれば九州の派閥の中では上位)
よって、旧帝大学医学部に入った時点で安定した将来を手に入れることができ、設備の充実等の観点から普通の病院では扱うことのできない症例等を扱える可能性も広がり、医師としてのスキルもかなり向上するというメリットがあります。
旧帝大学医学部の偏差値は?
旧帝大学医学部の偏差値は日本の医学部の中ではかなりの上位に位置します。
以下の表に旧帝大学医学部の偏差値をまとめ、順位をつけてみました。
東北大学、京都大学が飛び抜けており、他の大学は殆ど同じ偏差値となっています。
全ての大学が70近くの偏差値であり、難易度は非常に高いと考えることができるでしょう。
順位 | 旧帝大学医学部 | 河合塾 | 東進 | 平均 |
1位 | 東京大学医学部(理科三類) | 72.5 | 74.0 | 73.3 |
2位 | 京都大学医学部 | 72.5 | 72.0 | 72.3 |
3位 | 大阪大学医学部 | 70.0 | 72.0 | 71.0 |
4位 | 名古屋大学医学部 | 67.5 | 71.0 | 69.3 |
4位 | 東北大学医学部 | 67.5 | 71.0 | 69.3 |
4位 | 九州大学医学部 | 67.5 | 71.0 | 69.3 |
7位 | 北海道大学医学部 | 65.0 | 70.0 | 67.3 |
旧帝大学医学部の序列は?
旧帝大学医学部の序列は以下のようになります。
東京大学>京都大学>大阪大学>東北大学=名古屋大学>九州大学>北海道大学
偏差値の観点だけでなく、医学分野に振り分けされる費用なども考慮した結果です。
旧帝大学医学部の難易度
旧帝大学医学部の難易度は非常に高いです。
一般的に旧帝大学医学部の倍率は低い傾向にありますが、それは自身のある強者しか出願しないためです。
ただし、記念受験も稀にいます。
倍率が低いからといって安易に出願しないように気をつけてください。
国立大学前期は一つしか受験できないので、より受かりやすい医学部に出願した方がいいですよ。
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旧帝大学医学部の各大学の紹介
東京大学医学部の特徴
言わずと知れた日本最高峰の大学であり、誰しもが一度は夢見たことがある有名大学です。
東京大学は大学に入った後に学部振り分けを行う進振制度が有名ですが、医学部に関しては理科三類の学生しかほぼ進学できません。(成績がかなり良ければ他の類でも進学可能らしいです)
医学部としての歴史的な役割は大きく、他の旧帝大学の発端には現東京大学卒業の医師たちが深く関わっており、現在まで日本、世界で活躍する医師、研究者を育成し続けてきました。
設備等も、国からの支給金額を考えれば非常に充実していると容易に想像でき、数万人に一人レベルの難病・奇病についての研究が行えるでしょう。
他の医学部との違いは、進振制度の影響で3年次になるまで殆ど医学の勉強ができないため、専門の授業のカリキュラムが非常にキツイものとなっています。(それでも非常に優秀な学生しかいないので進級率はかなり高いです)
京都大学医学部の特徴
こちらも東京大学と同じく、知らない人がいないほどの超有名大学で、入試問題に関しては東京大学よりも難しいと言われることもあります。
研究分野への力の入れ方が凄まじく、ips細胞の発見も京都大学医学部の研究チームによるものです。
研究面ばかりが世の中では騒がれていますが、移植手術等の臨床における技術も非常に高く、研究・臨床のどちらの道へ行っても質の高い環境で学び、働くことができるでしょう。
また、研究員育成のための特色入試というものが存在し、飛び級で大学に入学できる非常に稀な制度を導入しています。
大阪大学医学部の特徴
医学部含め、研究面に力を入れており、早期から学生が基礎医学に取り組めるようなプログラムを用意している大学です。
京都大学医学部との連携が根強く、関西で働くにおいて深い人脈をつくることが可能でしょう。
医学部の大学キャンパスは過去に移転して郊外に作られ、交通面などは前よりも劣るものの研究設備を充実させることに成功したようです。
国際交流が深く、外国の症例等も授業で詳しく教えてくれるので、関西だけでなく海外での活躍を考えている方にもお勧めできる大学となります。
名古屋大学医学部の特徴
旧帝大学医学部の中では唯一後期日程を設けている大学ですが、受験者か保護者のどちらかが愛知県に縁がないといけないという制限があります。
こちらの大学も研究にかなり力を入れており、講義の際に講義内容を無視して自分の研究内容などを熱心に話す教授もいると言われている程です。
自分が深く学びたい分野を選択する制度(所謂ゼミのことです)が存在しますが、普通の医学部よりも選択肢が多く、より深く医学について学べますので、研究者を目指すにはかなり良い環境です。
大学に地下鉄が通じており、交通の便が良く快適な学生生活が送れるでしょう。
東北大学医学部の特徴
東北地方の医療の中心となっており、東北大震災の際には災害医療派遣チームを派遣し、被災者のケアに力を尽くしました。
他の旧帝大学と同じく、研究面に力を入れていますが、臨床に関してもかなり力を入れているようで、多彩な臨床実習等を取り入れているようです。
また、海外への留学を推しており留学プログラムも充実していると同時に、東北の過疎化、医師不足や震災の影響もあり、地域医療の大切さを伝えるような講義も行われています。
九州大学医学部の特徴
九州では文句なしのトップの医学部で医学部キャンパスの立地もかなり良いことから非常に人気な大学です。
図書館などは24時間利用でき、講師・臨床・研究設備がかなり充実しているので、学習の場としては最高の環境となります。
近くには、福岡大学や久留米大学等の医学部が存在する大学があり、部活等を通して広い交流を作ることが可能でしょう。
入試において現在唯一面接試験を課さない医学部として有名であり、訳ありの人が稀に入学してくるそうです(笑)
北海道大学医学部の特徴
旧帝大学の中では難易度が比較的易しく、立地も良いためかなり人気の高い大学です。
大学院への進学を強く勧めていることから、こちらの大学も研究面に力を入れていることがわかります。
他の医学部よりも他学部との交流が多く、閉鎖的と言われる医学部の世界では非常に貴重な出会いができる可能性があるでしょう。
1年生という割と早い段階で基礎医学の分野を学習するため、高学年次でかなりの時間を実習に割り当てることができると思います。(現場に出れるのは5年生からなので、見学や実験などが他大学より多くなっていると思います)