医学部卒業で医師にならない人がいる?
実は医学部卒業しても医師にならない人がごくわずかにいます。
もちろん、99%の人は医師になりますが、1%ほど変わった仕事につく人がいるのです。
今回は、医学部卒業で医師にならない人がどんな人かをテーマにお話をさせていただきます。
目次
医学部卒業で医師にならない人はどんな人?
医学部卒業で医師にならないという選択をした方を何人か紹介させていただきます。
医療系ジャーナリスト 朽木誠一郎
医学部を卒業して医師にならないという選択をした人で1番有名な方は、朽木誠一郎(くちき・せいいちろう)でしょう。
群馬大学医学部医学科を卒業しましたが、医療系のライターとして、雑誌やWEBメディアで活躍されています。
WELQ問題という医療系キュレーションサイトの情報の信頼性が問題になった時にも活躍されていました。
医学部を卒業したことでもつ医療系の知識を元に、医療の問題に踏み込む姿勢は素晴らしいです。
医学部を卒業後、テレビ局社員になった人
2016年春、筑波大学医学専門学群を卒業し、医師国家試験にも合格したという吉藤芽衣さん(24)という方がTBSテレビ局に入社しました。
せっかく医学部受験で成功し、大変な医学部を卒業し、医師国家試験までとったのになぜ医師にならなかったのでしょうか。
以下のような本人の言葉があります。
ドラマ制作を希望し「医療ドラマが大好きで医者になろうと思ったんですけど、でも本当に好きなのはドラマだったと気付いてテレビ局に挑戦しました」と動機を語った。
おそらく、医療ドラマをみたイメージだけで医師がかっこいいと思ったが、実際に現場を見てみると、大変な現場だし、面白くないと思ったのでしょう。
医学部受験生で実際に病院を見学した人はほとんどいないから当然のことだと思います。
実際の現場を知って、嫌になることがあるのは当然でしょう。
東京大学医学部を卒業して戦略コンサルティング会社に就職する人もいる
東京大学医学部を卒業して、戦略コンサルティング会社に就職する人がいます。
以下のように、進路で悩んでいる人が実際にいるのです。
東京大学 医学部 Kさんより質問
私は現在学部3年生で大学院に進みある程度汎用性のある専門性を身につけた上で戦略コンサルファームに入るか学部卒で入るか悩んでいます。
東京大学医学部に入る人は、医師になりたいというわけではなく、学力トップの学部に入りたかったという人が多いのです。
受験をいわばゲーム感覚で考えていて、頂点を極めたいと考えるのでしょう。
だから、彼らにとっては、必ずしも医師になる必要はないんですね。
また、医師免許をとっておけば、外資系企業でうまくいかなかったとしても、食いぶちに困ることはありません。
人生の保険として、医師免許をとる人もいるのです。
本当に医師になりたい人からすれば迷惑な話だと思います。
医学部卒業で医師にならない理由は?
成績がいいから医学部に入ったが、もともと医学に興味がなかったから
医学部卒業で医師にならない理由は、だいたい「もともと医学に興味がなかった」というものです。
親が子供を医師にさせたいばかりに、医師になれと子供の頃から無理やり勉強させたケースばかりだと思います。
昔ほど医師は職業として、メリットはなくなってきていますからね。
また、医療の現場は過酷なので、強い覚悟がなければ働くことはできないのです。
最近は、勉強ができる人はみな医学部に進学するという風潮があります。
勉強ができる人がみな医療に興味があるわけではないので、今後は医学部に入ったことを後悔して、医学部を卒業しても医師にならないケースが増えてくるでしょう。
医師国家試験に落ちてしまったから
医学部を卒業しても医師国家試験に合格できなければ、医師になることはできません。
なので、少ないですが、医師国家試験に落ちてしまい、医師になれない人もいるのです。
医師国家試験の合格率は毎年90%程度ですが、落ちてしまった人の合格率はどんどん落ちていきます。
なので、何度受けても合格できない人が出てくるのです。
医学部卒業で医師にならないのは迷惑?
医学部卒業で医師にならないのは迷惑なのでしょうか。
私の考えとしては、迷惑とは思いません。
医学部を卒業して得た知識を他の分野で活かすことで、より良い医療を目指すことにも繋がるからです。
必ずしも医師という形だけが医療に関わるベストな選択肢ではなく、医療ジャーナリストなどのメディア側に正確な医学知識を持った記者がいることはとても重要なことだと思います。
もっと医学部を卒業した人が違う分野から医療を効率化していったりしていくことも大切だと思うのです。
たった一人の人間が医師になって働いても1という仕事量にしかなりません。
しかし、たった一人の人間でも、全体の仕事量を1%効率化するだけで、1000以上の仕事量をこなしたことになるのです。
医師がただがむしゃらに働くことだけが、社会にとっていいこととは限らないということは覚えておくべきでしょう。
朽木誠一郎さんは不合格だったから医師になれなかっただけで、それを医師にならなかったと言うのは間違いですよ。