医学部の地域枠は入りやすいといわれています。
しかし、普通の一般入試と違って、メリットやデメリットがあるのです。
この記事では、地域枠とは何かに始まり、そのメリットやデメリットについてまとめたいと思います。
目次
医学部の地域枠とは?
医学部の地域枠とは、医師の地域間の偏りを解消するために設けられた選抜方式のことです。
大学によって選抜方法は違いますが、多くの大学では推薦入試と同じようにセンター試験、小論文、面接などにより合否が決まります。
推薦書や調査書、地域医療に関する論文、医療機関における適正評価なども参考にされるようです。
地域枠ということは、地元の出身者しか受験できないのではと思われがちですが、地元出身者しか受験できないものと他県の人でも受験できるものがありますね。
医学部地域枠のメリット
医学部地域枠にはメリットがたくさんあります。
いったいどのようなメリットがあるのでしょうか?
医学部地域枠は入りやすい?
医学部の地域枠の一番のメリットは入りやすいことです。
センター試験、面接、小論文などによって合否が決まるので、難しい二次試験を受験する必要がありません。
また、倍率もかなり低いのです。
大学にもよりますが、センター試験の点数も基準点を超えていれば後は、面接や小論文などによって合否が決まるためセンター試験が悪くても合格する可能性があります。
なので、学力的に一般入試での合格が厳しい人でも医学部に合格できるチャンスがあるのです。
医学部地域枠では返さなくてもいい奨学金がもらえる
医学部地域枠で入学した学生は一定の条件を満たせば返さなくてもいい奨学金がもらえます。
一定の条件とは、卒業後に指定された地域の病院や指定された医療機関で、一定期間働けば返済義務がなくなるというものです。
大学にもよりますが、月10万円もらえるところだと6年間で750万円をもらえることになります。
これは国立大学の6年間の授業料の2倍以上となる大金ですよ。
元から地元で働くつもりならめちゃくちゃお得
元から地元で働くつもりの人には、地域枠はめちゃくちゃお得です。
何のデメリットもなく、奨学金をもらえるわけですからね。
地元が好きで将来、医師になっても地元で働きたいという方にはおすすめですね。
医学部地域枠のデメリット
医学部地域枠はメリットばかりではありません。
やはり良い面がある分デメリットもあるのです。
医学部卒業後の進路が決まってしまう
医学部地域枠で入学すると、卒業後だいたい9年程度は指定された地域の医療機関で働かなくてはいけません。
なので、自分が進みたい診療科に進むことができない可能性があります。
診療科に限らず、医師は医務官だったり、製薬会社で働いたりと働き方が多様にありますが、そういった選択肢を選ぶことは非常に難しくなるでしょう。
海外に留学したりすることもできないと思います。
このように、将来自分がやりたいことができないというデメリットがあるのです。
もし途中で辞めると金利がめちゃくちゃ高い
途中で嫌になって条件を満たせない場合、10%もの法外な金利で返済をしなくてはいけないかもしれません。
これは奨学金を借りる先によるでしょうが、金利が低いとさっさと返済をしてどこか別の地域に行ってしまう人が出てくる可能性があります。
そのために、条件を満たさない場合は、高い金利で返済をしなければいけないという条件を課している奨学金が少なくありません。
地元出身者が有利?
医学部の地域枠は地元出身者が有利といわれています。
地域枠は将来地元に残って医療に従事してくれる人を確保するための入試方式です。
なので、地元に友達や家族がいて地元に残る可能性の高い地元出身者の方が優遇されるのは当然といえるでしょう。
入試対策が難しい
試験の点数で合否が決まる一般入試と違って、面接や小論文で合否が決まることが多い地域枠は対策がかなり難しいといえるでしょう。
なので、努力をしたからといって結果が出るとは限らないと思います。
といっても、一般入試で医学部に合格できる学力がない地元出身者の方は地域枠なら可能性があるでしょう。
思い切って受験してみるといいんじゃないでしょうか?