医学部が難しい理由は?3つの考察と倍率・偏差値の見方

この記事でわかること

成績上位層・再受験生・女性の進路選択という、元の記事の3つの考察を紹介します。2025年度の女性入学者割合を補足し、倍率や偏差値から志望校の難易度を確認する方法を整理しました。

制度・出典確認:2026年10月12日。筆者の体験・当時の考察と、現在の確認事項を分けて紹介します。

医学部が難しい理由はなぜか?

医学部は難しいというイメージがあると思います。

医学部医学科は医師を目指す人が多く、人の命に関わる専門分野を学ぶため、入学後も幅広い学習が必要になります。

この記事を書いた2018年当時、私は医学部受験の難しさを強く感じていました。

今回は、医学部が難しい理由をテーマにお話をさせていただきます。

医学部が難しい理由3選

医学部が難しい理由をいくつか紹介していきたいと思います。以下の3つは、2018年に私が考えた背景です。特定の属性の受験生が増えたから難しくなったと証明するものではなく、現在の入試結果と区別して読んでください。

1.成績上位層が医師という進路を選ぶ

私が当時考えた理由の一つは、成績上位層にとって医師という進路が魅力的に見えることです。

当時の私は、医師免許や収入への期待が医学部人気につながっているのではないかと考えていました。

元の記事では、勤務医と東大卒の平均年収を比べて「約1.7倍」と書きました。しかし、出身大学の集計と職業の集計では対象が違い、進路の優劣を示す比較にはなっていませんでした。

医学部を卒業すれば全員が医師になる、必ず年収1,000万円を超える、といった保証もありません。

東大と医学部の両方を検討する人もいるでしょうが、学びたい分野や将来の仕事によって選択は変わります。なお、東大にも医学部があります。

元の記事で引用していた年収について
2018年の記事では「勤務医全体1,098万円、東大卒631.5万円」という数字を紹介しました。現在の相場ではなく、年齢や調査条件も揃えていない過去の引用です。表の出典と比較上の注意点は、以下の関連記事に残しています。

関連記事 東大と医学部どっちに行くべき?

大企業に入ったからといって、希望する働き方や生活が必ず続くとは限らない、と当時の私は考えていました。

元の記事ではSHARPの経営や海外企業との競争を例に挙げました。これは2018年当時の問題意識で、現在の企業の状態を評価したものではありません。

メガバンクの人員削減に関する当時の報道も、仕事の安定性について考えるきっかけでした。

大学名や企業名だけで、人生の安定を判断するのは難しいと思います。

そのため、資格を得て専門職として働く道に魅力を感じる人もいるのではないか、と私は考えました。

ただし、これだけで医学部の偏差値が上がった原因を説明することはできません。大学・選抜方式・年度ごとの入試結果を見る必要があります。

 

2.社会に出てから医学部に再挑戦する人もいる

医学部には、社会に出た後で再挑戦する人もいます。

私は2018年当時、医学部再受験をする人が増えてきたように感じていました。ただし、全国の再受験者数を継続して調べた結果ではありません。

私の周囲では、東大や京大などを卒業して医学部に再挑戦する人も見られました。出身大学だけで医学部への合格が決まるわけではありません。

元の記事では就職が思うようにいかなかったことを再受験の理由として考えましたが、すべての再受験生に当てはめることはできません。

今の仕事を続ける選択肢があっても、医療への関心や以前からの目標を理由に再受験する人もいるでしょう。

なので、再受験の理由を景気や就職の一つだけで説明するのは無理があると思います。

受験生にはさまざまな学習経験を持つ人がいますが、再受験生の存在だけで倍率や偏差値の変化を説明することはできません。自分の受験では、他人の経歴よりも出願条件や配点、必要な学習を確認したいところです。

 

 

3.女性も医師を目指す進路を選んでいる

3つ目に考えたのは、女性も医師を目指す進路を選ぶようになっていることです。ただし、女性の人数や割合だけを難化の原因とすることはできません。

元の記事では男性の多い医学部というイメージと、女性入学者の増加に注目していました。

「ドクターX」などで活躍する女性医師の姿も当時は印象的でした。ただ、ドラマが医学部志願者数をどれだけ変えたかは、この記事では確認できていません。

元の記事にあった「医学部入学者の女性割合は約3分の1」「医師の女性割合は20.4%」は、平成26年度などの古い情報として紹介していた数字です。入学者と医師全体は、対象も異なります。

文部科学省の令和7年度(2025年度)集計では、医学部医学科の女性入学者は3,780人、入学者9,218人の41.0%でした(編入学を除く)。資料:各大学の医学部医学科の入学状況及び国家試験結果等。これは入学者の構成を示す数字で、女性志願者の増加率や難化の原因を直接示すものではありません。

また、元の記事では2018年の小学生のなりたい職業に関する記事を紹介し、女子の回答で医師が1位(8%)だったことにも注目しました。これは当時紹介したアンケートの話で、小学生の希望職業と大学入試の志願者数を同じものとして扱うことはできません。
今後の志願者数については、一年分のデータだけで予測せず、年度ごとの公表資料を確認したいと思います。

医療職は性別を問わず目指せる仕事です。薬剤師・看護師・医師はそれぞれ別の職種ですし、一つの職種の男女比から別の職種の将来の割合を決めつけることもできません。

 

 

医学部の難易度は志願者数・定員・試験内容をあわせて見る

結局、元の記事で私が伝えたかったのは、医学部には、現役生も浪人生も、別の大学や仕事を経験した人も含め、さまざまな人が挑戦しているということでした。

ただし、受験生の属性だけで難易度は決まりません。志願者数だけでなく、募集人員、試験科目・配点、受験者数と合格者数を見て考える必要があります。

医学部の難しさを比べるときの3つの確認点
指標確認したいこと
倍率志願者÷募集人員か、受験者÷合格者か。大学・年度・選抜方式を揃える
偏差値どの模試・予備校の、どの年度の数値か。科目や合格可能性の基準も確認する
自分との相性共通テストと二次試験の配点、科目、面接、過去問を確認する

元の記事では景気や年金への不安も背景にあると書きましたが、それは当時の私の考察です。将来の制度や収入を断定して「今後も必ず医学部が難しくなる」と予測することはできません。

医学部と東大を比べる場合も、大学や科類、試験科目が違います。「医学部ならすべて東大より難しい」という一つの順位にはまとめられません。

受験する側としては、難しいという印象だけで諦めたり、周囲の経歴を気にしすぎたりせず、志望校の募集要項と過去問から、自分が取り組む課題を具体的にしていきましょう。

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